「これでまた笑って過ごせるかな?」
敦の背中を見送りながら、円香が言った
「そうだな。きっとな…」
俺は円香の手を握る
円香は驚いたような顔をした
「これでやっとケジメをつけられた。円香、好きだ」
「佐伯……」
「違う。佐伯じゃなくて、康弘」
「うん、康弘大好き」
…………………………………
………………………………
……………………………………
「やっぱりここか…」
ホテルの最上階。そこは全てガラス窓で天窓、空が見えるのだ
「何で来たんだよ」
冷たい声。
「柊さん、こっち向いて」
俺は構わず彼女に言い続ける
「嫌だ」
「こっち向いて」
「やだって言ってんだろっ」
彼女の肩が小刻みに震えていた
「第一、てめぇの顔何て2度と見たくはねぇんだ……」
彼女の手を引っ張る
そして、俺の腕の中にへと閉じ込めた

