恋模様




「質問ですか?僕に答えられるのなら……」



その人は立ち上がり、マイクを手にした



「その彼女のことあなたは好きだったんですか?」



「いや、あ…の……、好き、でした。ううん、今も好きです」



ドクン、鼓動が高鳴る



あたしばっかりが辛い思いをして苦しんでたのに…



ぎゅっと拳を握った



「はい」



「質問ですか?どうぞ…」



「その彼女は今、何をしているのだと思いますか?」



「彼女ですか?そうだな…今笑っていてくれればいいです」



敦が笑う。その笑顔を見るとなんかぶん殴りたくなる



「爽?ちょっ、待ちなって」



「彼女が笑っていたら、あんたは彼女が幸せだと思うのかよ?」



円香の止めの手をさらりとかわした



「その彼女は付き合ったと思うのかよ!?」



一歩一歩前に進む



「彼女は今笑ってんのかよ!?」



ついに敦に顔が見える範囲へと出ることができた



「今、彼女はもの凄く怒ってると思うぞ。腹綿煮え繰り返るくらいな」