「この度は、素晴らしい賞をありがとうございます」
あたしの中の敦は1年前のあの時から泊まっていたから、今の敦はとても大人びて見えた
「ねぇ、爽?」
「何だ?」
「がに股になってる…」
「!!」
しまったっ。いつもの癖で…
急いで足を閉じた
「ふふっ」
「何だよ…」
「何でもないよ」
あたしはムスッとした顔で再びステージに目を向けた
「いつもの爽になってきたな…」
…………………………………
……………………………………
「僕のこの写真には一つの想いがこめられています。それは、言えなかった想いです」
敦の声を聞いてると、頭の中でこれまでにあったことが廻る
「これは僕の心なんです」
敦の心…
「僕はある少女に酷いことを言って傷付けました」
ある少女…あたしのことか
自然と手に力が入っていた

