恋模様




「っぁ………」



涙が溢れてくる



後から後から溢れて来て、止まらない



気付けばしゃがみ込んでいた



「円香、あの絵…」



茜色に染まった空を見上げる一人の少女



この絵は…



「恋模様…、そして、あの少女は…」



あの少女は…



「爽、あんただよ」



涙が、涙で前が見えない



あの写真に映るあたしは幸せそうで…



「はい…」



円香があたしに一枚の写真を差し出す



「こ、れは…」



「爽の心の恋模様」



差し出された手の中には、あの日の空の写真



「あたし、あたしは…」



「爽、この写真は捨てちゃダメだよ。これは、爽のキモチだから…。敦君への想いだから」



想い…



「うっ、ひっく…」



「爽、自分に嘘を付いちゃダメだよ。爽は敦君が好きなんだね」



声が我慢出来なかった



あたしは円香の腕の中で声をあげて泣いた