「佐伯が人捜し?女捜しの間違いじゃない?」



「はぁ?馬鹿じゃねぇの。女じゃねぇし、男だし」



「またまたぁ〜、嘘付かなくてもいいし」



ばっ



「ちげぇって」



佐伯に腕を掴まれた



ドクンッ



廊下にはあたしたち以外だれもいない



佐伯に見つめられ、動けなくなる



そんな目で見ないでよ



「ぃた…」



「ご、ごめん」



掴まれていた腕が解放された



掴まれたところが熱い



熱を帯びている



あたしの顔にも、その熱が移る


佐伯康弘



あたしの近所に住む幼なじみでもあり、あたしの…



思い人…