「そこまでされちゃ、譲らないわけにはいかないだろ?それにもし、俺が逆の立場だったとしても、そこまではしていないと思う。良かったね、彩ちゃんはちゃんと愛されてるよ」
翔くんの言葉を何も言わずに聞いていた。
「でさ、アイツって元々プライド高そうだし、たぶん土下座なんてしないタイプだろ?そんな自分の姿を知られたくなくて彩ちゃんには、このこと黙っててくれって、ついでにお願いされたんだけど、なんか悔しいしムカつくしね」
そうだったんだぁ…
「彩…?泣いてるの?」
亜希に言われて頬を触ってみると雫が手を濡らした。

