【短編】好き。2


はぁーと、ため息を吐いて「じゃなくて」と沙耶はおもむろにベッドに座った。



「本当に、ごめん……」


「?」


「倒れるほど悩んでたなんて知らなくてさ。真剣に話を聞いてあげられなくて……ごめん」



沙耶が……

あの沙耶が……



あ、ああ、謝った!!!?



「綾?」


「沙耶が謝った……」


「なにそれ!」



顔を真っ赤にしてそっぽを向く沙耶。


あたしも素直じゃないけど、沙耶も十分素直じゃないよね。



「沙耶かわいぃー!!」



ぎゅう!っと、沙耶に抱きつく。



「わぁ!ちょっとっ。あたし、そんな趣味ないから!」



いや、あたしもない。


……てかね?