【短編】好き。2


泣いてる女の子を見て安心しているあたしは意地悪な女だよね。


なんか……頭痛い。

恋煩い?



「早瀬さん」



突然の声に振り向くと居たのは同じクラスの男の子。


なに……?



「さっきやった自習の時のプリント。僕、集めなきゃいけないんだ」


「あ、そうなんだ」



腰を曲げ、机の中からプリントを取り出して体を戻した時に頭がクラッとして目眩がした。



――ヤバい。



「早瀬さん!?」



視界が0になり、倒れた衝撃を感じた瞬間にあたしは意識を手放していた。



『――…けっ……綾に……わんな…』



最後に聞こえた声は
翔平の声だった気がする。