「あたしのごめんを返せぇー!!!」
「ぎゃああああ!!」
く、苦しい!
首を絞めないでくださいーっ!!
「……ま、いいわ。ひとつ、いいこと教えてあげる」
「い、いいこと?」
首に手を添えて、大きく息を吸いながらあたしは沙耶の言葉を復唱した。
あー、死ぬかと思った。
「そ、いいこと。あんたの悩みは解決したと思うよ」
「…………」
あたしの悩みが、解決した?
幼なじみと恋人の違いができたってこと?
本当に?なんで?
どうやって?
疑問はたくさんある。
聞きたいこともたくさんある。
だけど、ひとつも
訊ねることはできなかった。



