【短編】好き。2


「あたしのごめんを返せぇー!!!」


「ぎゃああああ!!」



く、苦しい!

首を絞めないでくださいーっ!!



「……ま、いいわ。ひとつ、いいこと教えてあげる」


「い、いいこと?」



首に手を添えて、大きく息を吸いながらあたしは沙耶の言葉を復唱した。


あー、死ぬかと思った。



「そ、いいこと。あんたの悩みは解決したと思うよ」


「…………」



あたしの悩みが、解決した?


幼なじみと恋人の違いができたってこと?


本当に?なんで?

どうやって?


疑問はたくさんある。
聞きたいこともたくさんある。


だけど、ひとつも
訊ねることはできなかった。