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10分後、侍医と看護師がゲストハウスを訪れた。


診断はやはり過労からくる熱だった。



「体調が戻るまで数日はベッドから離れないこと わかったね?」



「でもっ、大丈夫だよ 煌も心配だし」



「お父様もお母様も数日は滞在してくれる予定だろう?おふたりがいるのだから安心して休むんだ」



「でも、王妃様のワイナリーへ出かける予定だし――」



「リン、母上が聞いたら嘆くよ?お義母様だろう?ゆっくり身体を休めればその分早く回復するんだ 子供の様に聞き分けのないことを言わずに言う事を聞くんだ」



なおも言いかけたわたしの言葉をアルは少し怖い顔でさえぎった。



アルと1歳しか違わないのに、煌と同じ扱いを受けているのは気のせい?



わたしは譲るしかなく、頬を少し膨らませてアルを睨んでから目を閉じた。



点滴に睡眠薬でも入っているのだろうか、瞼が重くなり眠気に襲われた。



リンの思った通りで、薬が効きやすい体質なので微量の睡眠薬を処方されていた。



スーッと眠りに落ちていく妻を見て、満足の笑みを浮かべたアルは部屋を後にした。