幸せの明日

アタシはゆっくり振り返る。
そこには、アユリの彼氏の涼介が立っていた。
「アユリ…お前何やってんだよ!!?」
涼介は明日香の姿が目に入ったのか、あり得ない状況に驚いていた。

「何って…こいつ等を痛めつけてんだよ?」
アユリは涼介の質問に平然と応えた。
アタシは黙って二人を見ていた。
「痛めつけてる…?お前、一歩間違えれば人殺しだぞ!?」
「人殺し?そんなの関係ない!!死ねばいいのよ!」
アユリは涼介の言葉に反論した。
「お前…それ本気で言ってんのか!?」
「ええ、本気よ!!」

アユリが涼介を睨み付ける。
「お前がそんな人間だとは思わなかった。俺、お前とはもうやっていけねぇよ…」
涼介がポツリと呟いた。
「アタシはこんな人間よ!!涼介が思ってるほどアタシはお人好しじゃないの(笑)」

「最低だな…沙梨亜に申し訳ないよ…。」
「うるさい!!!涼介がアタシの何を知ってるっていうの!!?」

その時のアユリは興奮状態に陥っていた。

「俺の心の支え…それだけは信じてたけどな。もう、別れるから…」
涼介はキッパリとアユリに言うとアタシの方に近づいて来た。