幸せの明日

「受験者は席につきなさい。これから5分後に試験を始めます。」

係の人が教室に入って来てそう指示した。
俺や他の皆は静かにその指示に従った。


―カチコチ―
時計の音が妙に聞こえて来る。
―ドクン…ドクン―
後3分…

―カチコチ―
「ふぅ…」
小さな深呼吸をする。

後1分…
試験官の人達がテスト用紙を配り始めた。
「落ち着け…落ち着け…」

俺は自分に言い聞かせて震える手を止めようと必死だった。

後…10秒…
俺は目を閉じた。
「3…2…1…」



「0…!」 「試験、始め!」

俺は鉛筆を握り、問題用紙に目を通した。
『これ…塾でやった奴…!』
俺は問題を解こうと鉛筆を動かそうとした。

だけど……