「入学式、目が合ったの分かりましたよね?」 「ああ、まあ」 「なんで俺の名前、知ってるんスか?」 彼は肘を机に付いて、ジッとこっちを見てくる。いやいや、それはさ。 「あなた、結構話題だから。周りの子が騒いでた」 「ふうん…つうか、あなたとかやめて下さいよ。俺は上沢優仁です」 「とりあえず、じゃあ上沢くん。私トイレに行きたいんだ」 彼、もとい上沢くんの前から立ち上がると、いきなり腕を引かれた。おもいっきり机に手を付いちゃったし、痛い。思わず彼を睨む。 →