哀しくなるほどに・・・。 有里はあの時から、何を見て、何を思って過ごしてきたんだろう。 欲張りになる私が、 我侭になる私が、 溺れていく私が、 有里は、キラいデスカ? いつも通りの乾いた景色と乾いた言葉を聞きながら愛しいと思う。 「ただいまー」 「おじゃましまーす。」 少し長めの石のタイルでつくられた道を歩くと、有里の香りがふわりと舞う。 開かれた扉の中に、入り込んで、戻らない私。