「大丈夫だ。」 壁にもたれていた背中をはなし、静かにそういった。 いつの間にか流れていた涙。 私は右手の手の甲で拭い、凌雅を見た。 私の前に仁王立ちで立つ。 不敵な笑みを浮かべ、こう言い放った。 「男嫌いなんて治してやるよ。 そんで… 絶対俺に惚れさせてみせる。」 目の前にいるのは、俺様な私の婚約者。 私が選んだ、婚約者。 「…ッ治してよね、絶対!」 凌雅を好きになる日なんて、ないと思うけど!!