来い、濃い、恋。




とにかく走った。

やっぱり恋愛なんて出来ない。
恋愛なんてしない。
男なんて大っ嫌い!!

なんて思いながら。


そしたら


「ドンッ」


誰かにぶつかった衝撃でアタシは床に倒れた。


「ごめん!大丈夫?」


…前言撤回。


アタシはこの男に一目惚れしてしまった。


アタシ馬鹿だ。
恋愛なんてしないって、男なんて大っ嫌いって思ったばっかなのに。


でも野球の練習着を来た君は格好良すぎた。
君の額に浮かぶ汗は、優にもらった高級な指輪よりも綺麗だった。


「ごっ、ごめんなさい!」


勢いよく謝ってアタシはその場を逃げるように去った。