歌姫はギタリストに恋をした゚*。㊦

その行動が、すごくゆっくりに見えた。








「俺‥ずっとsAra.さんに憧れてたんや…」


「え…」




JINくんは、体を拭いたおしぼりをたたみながら言った。


突然のJINくんの言葉に、私は体が固まってしまっていた。

いろんな意味で、心臓がバクバクいっている状態だった。







「…俺・・sAra.さんがデビューする前から…sAra.さんのこと知っててん…」

「!」

「sAra.さんがデビューするちょっと前に、俺今の事務所入ったばっかで…毎日レッスンに明け暮れてた時・・sAra.さんに会ったんや…」


JINくんは、バックからうちわを出し仰ぎ始めた。







「一目見た時から…なんか芸能人みたいなオーラがあった。俺なんかそん時‥全然素人やったけど、sAra.さんがスターになるのはわかったわ…」

「・・・・」

「そんでな…俺、思わずsAra.さんに『握手してください!』って頼んで、握手してもらったんよ(笑)」

「え?」



握手……?

そんなことあったかな?