「仕事が忙しくて…私もなかなかお見舞いに行けない状態なんです」



本当は毎日行きたいのに…






『そうよね。私が行けたら一番いいんだけど…』

「でも沙知絵さんのお住まい、東京から遠いですし…お店のこともありますしね」

『そうなのよ。毎日そっちに通うには、新幹線使わないと無理だし……お店も私がいないと旦那ひとりになっちゃうから』



沙知絵さんは、旦那さんと一緒に地元で酒屋をやっている。

慶が酒好きなことが納得できる。







「そうですよね。お見舞いは沙知絵さんが来れる時で大丈夫ですよ…慶の様子は、私が連絡しますから…」

『何から何まですみません。』

「いえ…」

『私は慶の叔母ですけど…あの子を育てたのは私だし‥もう自分の息子のように思ってるわ。だから毎日心配で心配で…胸が張り裂けそうです…』

「…わかります」


私も、毎日そんな感じ…





『なるべくそちらに伺いますので…また連絡しますね』

「はい。仕事で電話に出られないかもしれないですけど、留守電に入れといてもらえれば折り返し連絡しますので…」

『わかりました。sAra.さんもお体に気をつけて…いつもテレビの前で応援していますので…』

「ハハ、ありがとうございます」