何がおかしいの?と言いたげに、歩はわたしを振り返ったので、 「なんでもない、なんでもない」 と言いつつ、必死で笑いをこらえた。 歩の部屋は、単行本や雑誌やCDが山のようにあって、棚に入りきらない分が床に積み上げられていた。 情報工学科というだけあって、デスクトップパソコンの周りには、理解不能なパソコン関係の本が積み上がっている。 黒を基調としたその空間は、まさに男の部屋だった。