「大丈夫。俺はここにいる」 歩が耳元で優しく囁いた。 胸にナイフが刺さったまま鼓動を続ける心臓の痛みを、少しでもやわらげるために、わたしは大きく息を吐き出した。 「……彼の行為はとても身勝手で。……とても……つらかっ……」 言い終わらないうちに、歩は抱きしめる腕に力を入れた。