ユウは呉羽の前にある川の
岸辺に横たわり、空を見ていた。
「直…今思えば御人よしだった」

口ではそんな事を叩いていても、
利津を見てから、ユウも直を思い出して
やまなかったのだ。直と共に歩んだ者にしか、
この気持ちは分からないであろう。

「何でユウは、最強軍団を目指したんだろ」
自分の目的を思い返し、考えていた。「

なあ…直?
お前は何を思って、死んでいったんだ?

「ここにいたのか・・・」
ふとユウが腰を上げると、
薫が横に座り込んで横たわった。
「探してくれたのか?」
「お前がいなきゃ活動できないから」
「…そうっすね」
ユウはため息をつくと目を伏せた。

「話を聞いて何となく思ったよ。
直って奴は皆から好かれてたんだな。
私も怠慢してみたかったよ」
薫の口から直が出たことに驚くユウ。

「タダの馬鹿だと思ってたっす」
「失礼な奴だ。先輩には興味あるからな」
子供のように、薫は笑った。

「ちょっとした昔話を話してやる」
笑いながらユウは手をパチンと叩く。
明るい顔をしながら、薫と目線を合わせる。
「随分と偉そうだな」
嬉しそうに薫も話を聞く。