「あははっっ」


急に聞こえた笑い声に目を向ける



それは当然、一ノ瀬 奏なわけで。



「やっぱ変な奴。」


「な!?」


「だから…!」


「ちゃんと勉強しろよ?」



言い返そうとした私の頭をくしゃくしゃにして



去って行ってしまった。




ポカンと一ノ瀬 奏の後ろ姿を見つめるわたし。



あの人は



嵐みたいなひとだ。




急に現れて



急に消えてく。



なんなんだ本当に、あの人は。


「なんなんだ〜〜〜〜〜!!!」


一ノ瀬奏の背中に向かって
叫んだ私を廊下にいた人が振り返る。