天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

『でも』

瞳をキラキラさせて小夜が表情を浮かべる。

『龍太郎君は悪い人じゃないと思うな…』

「あーあ、出た出た」

呆れたように溜息をつく宜虎。

芽々も仕方ないなと言わんばかりに肩をすくめる。

恋は盲目とはよく言ったものだ。

どんなに二人が言い聞かせようとも、小夜は自身の考えを改める気はないらしい。

頼りないように見えて芯は強い。

小夜はそういう少女だった。