山登りは中盤に差し掛かる。
女性陣には少しキツイ勾配。
「ほれ、芽々に小夜、もうちっとばかりの辛抱だ。頑張んな」
自分も大きな荷物を背負っているにもかかわらず、宜虎が二人の手を握って引っ張る。
「……」
同じ年代、同じ人間なのに、男というのはどうしてこんなに頼りになるのだろう。
腕力があって、体力があって、何より女の子に気遣ってくれる。
女である自分を、壊れ物のように扱い、大事にしてくれる。
無論、男の全てがそうである訳ではない。
自分が異性に対して夢見ているだけかもしれない。
しかし小夜が今まで見てきた男性は、そして想いを寄せる龍太郎は、そういう存在であると信じていた。
女性陣には少しキツイ勾配。
「ほれ、芽々に小夜、もうちっとばかりの辛抱だ。頑張んな」
自分も大きな荷物を背負っているにもかかわらず、宜虎が二人の手を握って引っ張る。
「……」
同じ年代、同じ人間なのに、男というのはどうしてこんなに頼りになるのだろう。
腕力があって、体力があって、何より女の子に気遣ってくれる。
女である自分を、壊れ物のように扱い、大事にしてくれる。
無論、男の全てがそうである訳ではない。
自分が異性に対して夢見ているだけかもしれない。
しかし小夜が今まで見てきた男性は、そして想いを寄せる龍太郎は、そういう存在であると信じていた。


