食べ終わる頃には、もう太陽も傾きかけていた。

「やー、食べたし遊んだねえ」

笑いながら言うきょうこ。

「む、二人とも見てみろ。なかなか綺麗な夕陽だ」

葉也が指差した先には、水平線に沈んでいく夕陽。

…確かに綺麗だ。

今日の海水浴を締めくくるに相応しい夕陽。

陽は柄にもなくそんな事を思ったりしていた。

ともすれば、二度と行きたくないと思うかもしれなかった、散々な陽の海水浴初体験。

しかし葉也ときょうこのお陰で、なんとかいい思い出を作ってお開きにする事が出来たのだ。