天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

きょうこに連れられて行った先には、葉也が待っていた。

海に到着してからというもの、ずっと釣りをしていた葉也。

お陰で大小様々な魚を釣り上げている。

「この魚を…食うのか?」

呟く陽。

とはいえ何も調理していない生魚の状態だ。

流石にこのまま食べるというのは…。

「それは任せて」

きょうこは目を閉じ、集中力を高めて、言霊の術式を発動する。

名前を『饗子』に書き換える。

『饗』とは『ごちそう、もてなし』を意味する字。

その名によって料理名人に変身したきょうこは、瞬く間に葉也の釣り上げた魚を調理していった。