天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

ようやく解放されたものの、陽はすっかり縮こまって膝を抱えたまま、ビーチパラソルの下から出てこない。

まるで太陽の光を浴びると死んでしまう吸血鬼のようだ。

波打ち際でパチャパチャやりながら、岩場で釣り糸を垂れながら。

きょうこと葉也はその様子を見ていた。

「ち、ちょっとやり過ぎたかな…?」

「まぁな…幾ら何でも人間スイカ割りは酷すぎたんじゃないか?」

「だっ、だって!陽があんまりビビるからつい!」

「きょうこ意外とSなのな」

「葉也だってノリノリだったじゃん!」

どちらにせよ、二人して陽をへこませたのは事実だった。