天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

無慈悲なきょうこの命令で、葉也はビュン!と日本刀を振り下ろす!

(俺死んだーーーーっっ!)

ギロチンの如く落ちてくる白刃。

その刃は。

「っっっっっ…」

陽の顔寸前で、ピタリと止められた。

「馬鹿、本当に斬る訳ないだろ」

目隠しを外して溜息をつく葉也。

「きゃはははははっ!陽ビビってやんのー!」

指差して大笑いするきょうこ。

しかし陽は、瞳孔が開きっぱなし。

まるで口から魂が抜け出てしまったような表情をしている。

(お兄ちゃん…)

微かに残る意識で、陽は小さく心の中で呟いた。

(怖ぇぇ…海水浴めっちゃ怖ぇぇぇぇ…)