天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

そんな事を考えながら、水着姿のままトボトボと歩いていた時だった。

「あれ、彼女一人~?」

不意に声をかけられてきょうこは振り向く。

見れば海沿いの道、向こう側から男が数人歩いてきていた。

きょうこよりも少し年上。

地元の高校生だろうか?

茶髪、浅黒い肌、煙草臭い体臭、中にはリーゼントとかソリの入っている奴もいる。

ちょっとセンスを疑う、如何にも田舎の暴走族といったファッションの連中だ。

多分愛車のバイクには、難解な漢字のチーム名とか入っているに違いない。

挨拶は『夜露死苦』とか言うだろう。

『本気』と書いて『マジ』と読む、みたいな。

きょうこは余り好きではない人種達だった。