天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

海水浴場から離れ、きょうこは海沿いの道を歩く。

感情的になって飛び出してきてしまった。

(やば…羽織る上着くらい持って来ればよかった…)

自分が水着姿である事を思い出し、彼女は身を縮こまらせる。

誰かと擦れ違ったりするのが嫌だった。

道行く人も、陽みたいにきょうこの胸を見て笑うのではないかと思った。

(何よ…あんなに言わなくてもいいじゃんか)

口をとんがらせて拗ねてみる。

とはいえ、自分が芽々のような大人っぽいキャラではない事は、言われなくてもわかっていたのだ。