天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

「まーアレだよ」

散々笑って気が済んだのか。

ようやく陽がフォローのつもりできょうこを励ます。

「人それぞれ持ち味ってもんがあるからな。芽々先輩と違ってセクシー系じゃねぇんだからよ、きょうこは」

「……!」

その言葉に、きょうこの表情が変わる。

モデルみたいに背が高くて、顔も美人で羨むばかりのプロポーションで、きょうこよりずっと大人びた芽々。

歳相応のきょうこから見れば、憧れるしかない存在だ。

きょうこにはきょうこなりの魅力や良さがあるのだが、本人にはそれがなかなか自覚できないものらしい。

だが。

「ま、無理して背伸びすんなってな」

茶化し半分できょうこの肩を叩く陽。

きょうこは、芽々みたいに優れた容姿の女性と比較して欲しくはなかった。