天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

その葉也はというと、海水浴場の岩場の所でいそいそと何かやっている。

いつも持ち歩いている愛刀を鞘に納めたまま、その鞘の先に糸を結び付けて…。

どうやら日本刀で釣りをするつもりらしい。

「また怪しげな事を…」

陽が呟く。

普通に釣り道具で釣らない辺り、やっぱり葉也は他人と感覚がズレているようだ。

しかし。

「見て、葉也のあの表情」

きょうこが微笑ましそうに言う。