天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

苦難の道程を経て、ようやく辿り着いた海水浴場。

三人はとりあえず、山中を彷徨い歩いた疲れを癒す。

「あー…参ったな…危うく明日の新聞の第一面に載るとこだったよ」

「や、勘弁してよ陽、笑えないから」

きょうこが手を横に振る。

それにしても本当に驚きだ。

葉也がここまでの天然且つ方向音痴だったとは。

今まで彼が無事に生きてきた奇跡を、二人は神に感謝したい気分だった。