天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

「あーもう!葉也、ちょっとこっち来い!」

業を煮やした陽が手を差し出す。

「俺と手ぇ繋げ!」

「………男と手を繋ぐ趣味があるのか、陽。キモッ…」

「俺だってキモイわっっっっ!」

葉也の発言に陽マジ切れ。

「お前がサクッと迷子になるから、捕まえとかないと仕方ねぇだろうが」

一人で葉也を歩かせておくと、予想もつかない方向に行ってしまう。

彼の夢遊病のような極度の方向音痴を阻止するには、こうするしか方法がなかった。