天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

そんな中。

「ぐすっ…ひぐっ…」

きょうこが何故か泣いていた。

「お、おいきょうこ…何泣いてんだよ…」

驚いて彼女に歩み寄る葉也。

「えぐっ…だって…」

両手で涙を拭いながら、きょうこは言う。

「線香花火終わっちゃったら…ぐすっ…なんかしんみりしちゃって…切なくなって…えぐっ…」

他の五人も、きょうこのその気持ちは何となくわかった。

線香花火の最後のひと燃えは、どことなく夏の終わりを感じさせる。

あんなに楽しかった昼間の熱狂とはうって変わって、どこか寂しげな、祭りのあとの物悲しさを感じさせるのだ。