天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

芽々は宜虎の気を惹く事に、いつしか躍起になっていた。

「これ重いわぁ…」

荷物を運ぶ際に前屈みになって、胸元をチラチラ見せてアピールしてみたり。

「ねぇ宜虎君、ちょっと手伝って欲しいんだけど…」

さりげなくボディタッチして意識させてみたり。

「宜虎君って、どんな女の子が好きなのか興味あるわぁ…」

意味深な発言で、宜虎に対して気があると思わせてみたり。

普通の男ならば、『芽々は自分に好意を抱いているのではないか』と感じるだろう。

そうではないとしても、芽々ほどの器量の持ち主が言い寄ってくるのだ。

悪い気はしない筈。

無意識のうちにでも鼻の下を伸ばしてしまうのが、健全な男子というものだ。