人間の『美』の認識は様々だ。

色とりどりの花々を『美』という者かいる。

宝石を『美』という者がいる。

外見、容姿だけを指して『美』という者がいる。

自己犠牲、命と引き替えに他者を助ける姿、人間同士が庇いあう姿を『美』という者がいる。

…例えば女性の容姿だけとってみても、『美』の基準は様々だ。

世界三大美人の一人に挙げられる楊貴妃は、現代で言う所の『太め』の女性であったという。

彼女の生きていた時代は、女性がふくよかである事が『美』だと思われていたからだ。

小野小町の時代にはお歯黒を施し、毒性の強い水銀で化粧をしていたという。

これもまた『美』の基準が現代とは違っていた為。

ならば。

時代、国、文化を問わず、揺らぐ事のない『美』とは何なのか。

ある科学者が、その手で最高の美女を作り上げようとした。

人間の手で生み出される、神の領域。

『人造美女』

それが神凪 芽々という存在であった。