天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

目の前で繰り広げられた信じられない光景に、芽々と小夜は呆然とする。

小柄な宜虎が、熊を退散させてしまった!

「よぅお嬢さん方、怪我はねぇかい?」

何事もなかったかのように振り向く宜虎。

「う、うん…怪我はない…けど…」

呟く芽々、コクコク頷く小夜。

というか、お前こそ怪我はないのかと問いかけたいくらいだ。

「そうかい、そりゃあ何よりだ」

ニッと笑って、宜虎はクルリと背を向ける。