天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

芽々より背は低いといっても、体重は150キロはある大物だ。

「っっっっ…!」

悲鳴を上げそうになる芽々を。

「おっと」

咄嗟に宜虎が口を塞いだ。

「刺激すんのはよくねぇな。クマは背中を見せて逃げるものを追う習性があるからよ…静かに後ずさりするんだ…絶対刺激しないように」

「……っ」

ガクガクと首を縦に振る芽々。

隣で小夜もガクガク首を振っている。

「さ…そぉっと…そぉっとだぜ?」

宜虎の合図でゆっくり後ずさりする二人。

呼吸さえも儘ならないほどの緊張が走る。

心臓が早鐘の如く鼓動を刻む。

滴る汗を拭う事もできず、表情を強張らせる芽々と小夜。

その時…。