天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

反射的に振り向く三人。

茂みがガサガサと揺れている。

「え…」

小さく声を出す芽々。

目を丸くする小夜。

別段驚く様子もなく見つめる宜虎。

茂みの中から出てきたのは。

「~~~~っ」

熊だった。

体長150センチ程度。

大きさは大した事はないが、それでも一番背の高い芽々の胸辺りの大きさはある。

全身は黒い体毛で覆われ、咽頭部の毛は白く、三日月状に見える。

いわゆる『ツキノワグマ』と呼ばれる種類の熊だった。