天神学園高等部の奇怪な面々Ⅲ

食事も終わり、ようやく落ち着いた。

「一時はどうなる事かと思ったわ~。宜虎君が想像以上に逞しくて助かっちゃった」

ご機嫌の体で言う芽々、隣でコクコク頷く小夜。

「川魚も夏より秋の方が、産卵を控えてて美味いんだけどな。山菜だってキノコが採れるから、もっといい食事が作れるんだが…」

宜虎が着流しの胸元から手を出し、顎を撫でながら言う。

とはいっても昔キノコ狩りで間違って何度も毒キノコを食べてしまい、身を以って見分け方を覚えたというのは内緒の話だが。

「飯も食って腹も膨れたし、これからどうすっかな~」

ググッと伸びをする宜虎。

その背後の藪の中から。

「?」

ペキペキッ、と。

草むらを掻き分け、枝が折れるような音が聞こえた。