【短編】好き。


勢いよくしりもちをつく田中。



「そんな女のっ、どこがいんだよ!!」



その田中の言葉は翔平の怒りに火を点けたようで。


翔平は田中の上に馬乗りのような形で股がり、殴り出した。



「ふざけんなッ」



翔平……



「綾はっ、世界一魅力的な女だ!」



ドクンッ!

一気に胸が暴れ出した。



「全然、自分を飾らない綾を……そこらへんの女と一緒にすんな!」


「翔平……」


「先生、こっちです!」



ヤバい――

そう思った時には、もう遅かった。


田中と一緒に居た和田くんがいつの間にか先生を連れて来ていて。翔平と田中は生徒指導室に連れて行かれた。


どうしよう……

あたしのせいで退学にでもなったら。