セブンデイズ・リミテッド(仮)

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 小僧が必死な顔で出て行く。

 写真に写っておった女は、それほどまで大事な者ということか。


「はぁ~……厄介なことになりそう」

「何を今更。いつものことではないか」

「そりゃそうだけど、厄介なことに変わりないでしょ?」

「ふっ。――違いない」


 コタツの上に座り、エフと向かい合う。


「お主の言うとおりになってきたな。土地だけではない。人間の心も穢れが進んでおる」

「これ以上悪くなったら、またハクが暴れちゃうわねぇ~ははっ」

「ワシを魔にするか神にするか。それは人間次第じゃからな」


 初めから悪などない。決めているのは人間の信仰。幾千もの個があるから、それぞれ求める存在が違う。ワシらはただ、そこに住む者がどう求めるかで決まっているだけじゃ。


「でも、ハクは自分で決めてるようなものじゃない。本殿のご神体――あの子が背負ってたものぜ~んぶ、ハクが処理してるんだから」

「忌み嫌われる黒猫じゃぞ? 本来なら、このような扱いをされるはずなどない存在じゃ」


 ワシは昔から思っておる。人間とはなんと愚かなものかとな。

 いつの時代も、誰かに罪を擦り付けなければ生きていけない。自分では何もせず、ただ傍観するだけで文句ばかり。何度殺してしまおうかと思ったかわからぬ。

 それをせずにいられたのは、一人の少女に希望を見たからじゃ。

 なのに人間は、ようやく現れた希望さえも、己の手で壊してしまった。





 だから――ワシはここにいる。





 あの子を支えよう。

 崇められるのはワシではない。

 相応しいのは――あの子じゃと。