セブンデイズ・リミテッド(仮)



「二人は……どういった関係で?」

「ん~腐れ縁、ってやつかな?」

「私にとっては不本意ですけどね」

「もうっ、そんな冷たいこと言わないでよ。――ってか、彼が今回のパートナー? なんだか人間っぽいわね?」

「人間っぽい何も、オレはれっきとした人間です」


 途端、空から来た少女はオレの目の前に立った。上から下まで、まるで品定めをするかのようにじっくり観察し始めた。


「――――」

「あのう……君は一体」

「あ、ごめんごめん。私はエフ。世界の境目である境界を保護・修復する役目を担ってるの。よろしくね!」


 笑顔で自己紹介するなり、オレの手を取って握手をされた。なんていうか――少女とは正反対の性格だな。


「オレは、神垣透って言います」

「OK~透くんね? 私のことも呼び捨てでお願い。敬語とか苦手だから、ラフに話してくれると嬉しいなぁ~」

「そっか。オレもその方がいいから助かる。――ちょっと聞きたいんだけどさ」

「お、さっそくねぇ。何が知りたいの?」

「彼女のことをひーちゃんとか言ってたけど、ちゃんとした名前があるのか?」

「ちゃんとって言うか、私が勝手に呼んでるだけなの。昔はあったらしいけど、随分と昔のことで忘れちゃったって言われたから」


 てっきり名前があると思ったに。忘れただなんて本当なのか?


「……もしかして、透もその名で呼ぶと言うのですか?」


 困った様子で聞かれ、オレは即座に首を振った。

 小学生相手に呼ぶのはいいけど、さすがに自分と歳が近い子にひーちゃんだなんて言う勇気はない。


「透くん、ひーちゃんの呼び方に困ってるの?」

「そんなとこ。君とかお前でいいって言われたけど、それだと悪い気がして」

「ま、普通はそうよね。じゃあ私も一緒に考えっ」

「エフは仕事があるでしょう? もう日が落ちるんだから、本格的に動かないとダメじゃない。それとも、ここにクロを呼び寄せてほしい?」


 それまで元気だったエフが、急に萎縮した。さっきからたまに出てくるクロってヤツが、エフにとっては苦手な人物ってことなのか?