アイツと私の婚約ドタバタ生活

「…なにやってんだ…手ぇつけよ…」

呆れたように、しかしどこかに安心したような音色で私に声をかけ、手を指しのばしてくれる

「いやぁ…忘れてました」

あはは。と、笑いながらその手を取る。私よりも大きな真也の手は私の手を優しく握り、引っ張ってくれる

「ありがとぉぉぉお!?」

私を立てるだけでなく、そのまま自分の胸に私を閉じ込める真也

「ししし…真也!?」

「怪我ないか?」

優しく私の頭をなでながら聞いて来る真也の声は優しい。ホッとするよ…

「うん…平気」

私は微笑みながら答える。なんか気持ちいいなぁ…この空気。私は真也の顔をガン見しようとする

「…」

無言でメガネをとる真也

「真也…!!顔が見えないじゃん!」

せっかく真也の顔見ようとしたのに…!!


「…見なくていい」


……なぜ?