「あっ、時間が…」 美愛が腕時計を見て、わざとらしく、しかも棒読みで言った 「今、明らかに話を逸らしたよね」 「じゃ、また明日」 「…」 美愛が風邪のように去ってゆく あいつ、足速いな 「あれ?美愛ちゃん帰ったの?」 「風のように去ったよ」 キッチンからクッキーを手にして母が出てきた。なんだ、クッキーは焼けるのか 「よくクッキーやけたね」 「買ったの。友達が」 「お前が作ったわけでも、買ったわけでもないのかよ!!」 せめて自分で買ってよ!!