アイツと私の婚約ドタバタ生活





「ち…かげ?」

教室に入ると、美愛が妙におびえながら話しかけてきた


今日は一人で登校。真也とはしばらく距離を置くつもりだ。

「…おはよう。どうしたの?」

「いや…なんか黒いよ」

おびえる美愛。

黒い…か。暗いじゃないんだね

「…どうしたの…?」

「なんでもないよ?美愛こそどうしたの?その手紙」

深く問われる前に話を変える。

真也のことは考えたくないし、口にもしたくない

「これ?千景の机に置いてあって…回収を」

「みせて?」

私は美愛に手を差し出し、手紙を渡すよう要求する

「え…でも…」

「いいから」

「…」

美愛はしぶしぶ私に手紙を渡す。