アイツと私の婚約ドタバタ生活

「なに?俺を怒らせたいの?」

徐々に近づく真也。いつもみたいに妖しい雰囲気はまとっていなく、ただ怒りしか感じられない

「……そんなわけじゃ…」

「じゃぁ、なんで?なんであいつのところに泊まったの?」

私の目の前で足を止めて私を見る

今日初めて見た真也の顔には怒りしか見えなかった

「…だって…」

「アイツに襲ってほしかったの?」

「ちが…!」

「男に部屋に泊まるっていうのはそういうことなんだよ!!」

「っ!」

初めて真正面から思いっきり怒られた

怖い。

「……」

涙が目尻にたまる

「……っ…真也…」

「なんだよ」

まだ怒ってる

「…あの人っ…誰?」

手を思いっきり握り、涙が流れないように耐える。ついでに、顔を見られないように下を向く