「嫌いにならない?」
「?」
俺はいきなり疑問をぶつけてきた千景に対して首をかしげる。何を嫌いになるんだろう?
「…私のこと」
そんな俺を察したのか、千景が答える
「なんで?」
「…」
「前の奴とは何もなかったんだろ?」
千景がコクンと小さくうなずく
よかった…。何かあったら俺はそいつを殺しちゃうかもしんないし
「キスも何もしてないよ」
「それならいいよ」
優しく千景の頭をなでる。千景はそれと同時に俺を強く抱きしめた
「帰ろうか」
「ん」
と、言いながらも俺を抱きしめている腕の力を緩めない千景。
―――まだ不安なのか?

