アイツと私の婚約ドタバタ生活

普通、名前だけでこんなに怖がられるわけがない。ましてや千景は女。社長の息子でもなければ、不良でもない。怖いところなんてどこにもないはずだ

「…あの」

「『あなたね?真也を誘拐したの。覚悟はいい?殺しに行くけど』」

前言撤回。超怖い

「いえ…!!あの!!」

おっさんが弁解する前に、ここの扉がぶち破られた。

「……あの…」

おっさんはさらに青ざめ、後ろへと歩く

「真也。その姿、あとで写真撮るね」

「やめてくれ!!」

恥ずかしさで死ぬ!!俺が!!

「大丈夫。部屋に飾るだけだから」

「やめろぉぉ!!」

俺は思いっきり叫んだ。それだけはごめんだ!!一生残りそうだ!!

「まぁ…それは後で…」

千景は逃げようとしている誘拐犯の方を見る。なるほど…コイツを片してから写真を撮るのか…

あぁ…俺、助かっても恥ずかしさで死ぬかも